現役のドクターであり、テレビの医療コメンテーターも務め、美容コラムも多く発表しているアラフォー女医が内側から潤い、そして強くなる、芯のしゃんとした生き方をご提案いたします!
果物アレルギーと花粉症
いよいよ今年もスギ花粉症の季節がやってまいります。
今年は東日本は例年より少し多いか、西日本は多く飛ぶと言う予想ですが、こればかりは実際に春が来てみないとわからないのです。
花粉症ケア
1日1回で済む眠気のない薬もあります。
ちゃんと長く効くものもありますし、花粉症の始まる少し前から予防投与として内服を始めると、その年の花粉症はかなり軽く抑えられます。
日進月歩でアレルギー治療は進化していますし、専門医はちゃんとノウハウを持っていますので、内科で済まさずちゃんと耳鼻咽喉科に行ってみてくださいね。
果物アレルギー
さて、花粉症の患者さんの中には、生で果物を食べたときに口の中にイガイガした違和感、かゆみなどを感じる方はいらっしゃいませんか?
この果物アレルギーは意外と多いですし、実は花粉症と大きな関係があるのです。果物アレルギーは
1、乳幼児期に発症し、蕁麻疹、腹痛、呼吸困難や喘息症状を起こす即時型。
2、学童期から成人に発症し、口の中の粘膜が腫れたり、痺れたりする口腔内アレルギー症候群の2つに大きく分かれます。
特に2番のほうは、ラテックスゴムにもかぶれることが多く、ラテックス・フルーツ症候群とも呼ばれます。 近年、口腔内アレルギー症候群はヨーロッパと日本で増加傾向にあるとのデータもありました。
どうして果物アレルギーの方と、花粉症の方が合併するのでしょうか。
その原因は、アレルギー物質の花粉と果物のタンパク質の構造が似ていることから、口の中、続く咽頭粘膜などまでアレルギーを起こすことがわかっています。
例えば白樺やハンノキの花粉のPR-10というタンパク質は、バラ科の果物であるりんご、梨、さくらんぼ、もも、豆乳にも含まれています。
世界三大アレルゲンのカモガヤの花粉のプロフィリンというタンパク質は、瓜科の果物メロン、スイカにも含まれています。
当然これらの花粉症を持つ方が、この果物をいただくと口腔内アレルギー症候群が起きてしまう可能性が大きいわけです。他にも、
スギのアレルギー⇒トマト
カモガヤ⇒トマト、ジャガイモ、キウイ、人参、オレンジ、ピーナッツ
ヨモギ⇒セロリ、人参、マンゴー、スパイス類
ブタクサ⇒メロン、スイカ、バナナ、キュウリ
こういったタンパク質は、熱によって形が壊れます。
そうするとアレルギーを起こしにくくなりますので、自分が花粉症の時期に入ったら「もしかして…」と思われる果物や野菜は、熱を加えて召し上がってくださいね!口腔内アレルギー症候群は、時にアナフィラキシーショックと言って劇症化することがあります。
通常は1時間くらいで症状が消えますが、それ以上続く場合、突然呼吸困難になることもあるので、その場合は救急外来でステロイドなどの治療を受けてください。
「私大丈夫かな??」
不安な方は、耳鼻科でlgEという血液内の免疫グロブリンを調べると、今どのくらいアレルギーが体内に溜まっってしまっているかなどわかります。
もちろんアレルゲンのチェックも大切で、まずは自分のカラダを知らなくては予防も治療もガッツリできませんよね。
普通の採血でチェックできますので、一度RASTという検査を受けてみてくださいね!
粘膜の健康バランスを崩すのは、乾燥、睡眠不足、疲れ、ストレス、自律神経失調、アルコール、刺激物の飲食などが挙げられます。
お付き合いで飲んでいるときに、苦手な食べ物が出て、あれ?口の中がなんか変だなと思ったら。
無理に召し上がらないでください。
体調が悪いときはアレルギーは出やすいのです。
カラダって絶妙なバランスでできています。
小さな無理を重ねると、いつか本当に爆発しちゃいます。
時々、自分を甘やかしてくださいね。
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