スタディーセッション『春のデトックスについて』後編

スローエイジング編集部発足のスタディーセッション。これまでスローエイジングサイトで掲載してきた記事を、専門家の先生をお呼びして検証していきます。今回は日本占術協会 会長 福田有宵先生「有宵会」所属、中医薬膳師、現代養生食 介護食アドバイザー でもある黒江真帆先生と一緒に検証しました。


『参加メンバー』

●黒江真帆先生

●編集部:もうすぐ40代。女性ならではの心身の変化変調に悩まされている。実体験を日々観察研究中。

●(40代A):健康マニア。データの分析・蓄積・収集で美と健康を維持したい。

●(40代B):プロのエステティシャン。女性の肌悩みを解決するスペシャリスト。

●(30代C):小学生男子2児の母で食育や躾に関心あり。仕事も多忙な中、子育て奮闘中。

●(30代D) :美や健康の資格を保有。美意識の高い人たちと定期的に情報交換をする情報通。

●(20代E) :IT担当。気になることは即ネット検索。まだ若いが耳年増。


●(30代D):今の時代、地球温暖化などで少しずつ、暦上の季節と本当の季節がズレてきている感じがあるのですが、先生のおっしゃる春はいつくらいになりますか?



●黒江:私は3、4、5月だと思います。

まず、火をおこして調理をして食文化までもっていったのは、地球上で人間だけです。

文明の力は恐ろしいことに、エアコンと冷蔵庫が出来てしまいました。それによって、季節がチグハグになってきたのは事実です。

人間ですから冬眠こそしませんが、夏になれば毛穴が開いて汗をかき、体温を冷やそうとします。気化熱を利用しようとする体のサイクルが、夏にエアコンをガンガンにつけて、室内で身の随まで冷えてしまっていたら、せっかく毛穴からデトックスするはずなのに、サイクルが変わって季節を過ごすと、旬と一緒で体調を悪くしてしまいます。


●(40代A):体のめぐりがはっきりしなくなってきますよね?


●黒江:自分で意識しないとハッキリしなくなってしまいますね。


●(40代B):私たちの世代は夏にエアコンが無かったのを知っている世代で、だから夏に暑くて汗をかくというのが自然でした。でも、今の子供たちはあまり汗をかくことがないですよね?


●黒江:汗をかく前に汗を引かせてしまうし、脱水症状が怖いからと水分だけは与えてしまう。


●(40代B):私たちは逆に汗をかかないと気持ち悪いと感じるけれど、これからの子供たちはそれを感じることなく育ちますよね。


●黒江:毛穴とか味覚とか、最近の子たちは毛穴の数も減っているし、中にこもった温度が発散されないんですね。それで熱中症になってしまう。人間が本来持っている危機管理能力、体内の温度を下げようとする能力が誤作動を起こしてしまうんです。


●(30代C):私は小学生と4歳の子供がいるのですが、どうやって食事で季節を感じてもらえるのかなって。自分が暑いと思ったら体を冷やす物を食べなさいとかでいいのでしょうか?


●黒江:季節の物を匂いで感じるというには、人間の嗅覚は少し退化してしまっています。

ですが目や肌で感じる季節感というものを取り入れて、その時々で取れるものを食卓に取り入れて四季を伝えることが大事だと思います。


●(40代A):今回、春のデトックスについてでお話ししていますが、結局今はファッションやスーパーも、情報や商品が早く出回っているからデトックスという時期も本来より早くなっているのではないでしょうか?

それだとしたら何を指標にして自分がデトックスできる時期だとみなしたらいいのでしょう?


●(40代B):毎年季節の変わり目に、鼻の皮がむけるという私のお客様がいるのですが、この時期になると自然と皮が剥けてくる。それというのも人間も自然の一部で木の芽時とか、芽吹く時期は体が変わってくる、代謝が変わってくる合図だと私は思うんです。

なので私はデトックスに関して言えば、春の早い時期ではなく、ゴールデンウィークあたり、汗をじんわりとかく頃、そこがデトックスの始まりの時期ではないかと思うのです。

●黒江:私もBさんと同じ意見で、デトックスというなら五月かなと思います。

今はまだ花冷えもあるので、血管が近くにある三首(首、手首、足首)は温めて冷やすべきではありません。

どうしても春うららかな陽気で、ファッションも素足にロールアップでパンプスといった軽やかな出立ちになりがちですが、まだまだ足元は冷えます。

なので、上はコットンのシャツやTシャツを着て、足元はブーツを穿くといった装いのほうが体的にはよろしいかと思いますね。

デトックスに関して言うと、「気血水」のこの“気“というのはのびやかさを好みます。色々なところに自由自在に飛び回りたいエネルギーなので、体のデトックスは五月とお伝えしていますが、心のデトックスは今ですね。煩わしいとか嫌な気分、気持ちはこの時期に手放して軽くしてしまうことが大事です。



●編集部:3月〜4月に、これからのデトックスに備えるための体作りに適したお茶などありますか?


●黒田:今飲んだほうが良いのは紅茶です。

お茶には白茶からはじまって黄、緑、紅、黒とあります。この中で温める作用があるのは紅茶だけです。イギリスやロシアなど寒い国は紅茶を飲みますよね。

それからインドのチャイなどもいいですね。シナモンやスパイスを入れるので、体の免疫力や自然治癒力が上がってくるのでおすすめです。

あとはバラ科の甜茶とかシソ茶もいいですね。アレルギーを持っていて、春が苦手な方にはうってつけのお茶です。

三寒四温で寒の戻りがあるこの時期は、紅茶を飲んだりシナモンを入れた飲み物などをいただくのがおすすめです。


食べ物についてですが、一昔前は滋養をつけるために卵をいただくとか、病気をしたからお見舞いにバナナを持って行くという時代もありました。ですが、飽食で食品ロス問題まで取沙汰されている今のご時世では、病気をしたら食べないということも大事です。

補うことばかりに囚われず、栄養を摂るということの毒をそろそろ知らなければいけません。


昔と違って、最近の人たちは栄養過多の傾向にあります。

ちょっと体調が悪いとか、疲れたと感じるときは内臓も疲弊しています。

心臓や呼吸器は24時間365日寝ているときでさえ休むことなく稼働していて、五臓六腑は本当にクタクタ状態なんです。

それが調子の悪い時に重たい食事、脂身たっぷりのお肉などを食べると、胃の中で12時間くらい脂身は停留して、消化活動に臓器はフル稼働してしまいます。


栄養も十分足りていて、食糧難でもない今、わざわざ食べる必要はありません。せっかく寝ている間に臓器も休ませてあげたいのに、不必要な栄養を摂ることによって、フル稼働させなくてはいけないなんて。

なので、不調だなと感じるときは“補う”という従来の考えを捨てて、お白湯や白かゆ、ほんの少し果物を口にする程度がちょうどいいんです。


このとき気を付けたいのが生野菜です。生野菜は90%が水分であとは繊維質。この繊維質を消化させるのに臓器はフル稼働してしまいます。

調子が悪いときに生野菜を摂るなら、栄養価の高い果物をほんの少し摂るくらいをおすすめします。


お子様の場合も同じです。今日は元気がないからと、栄養のあるものをどんどん与えてしまうのはNG。

花粉症やアレルギー体質のお子様で、栄養を摂らなければ落ち着いているということや、栄養を摂ると蕁麻疹が多く出る出るということが多いです。

「栄養を摂りすぎることも毒」であることを知り、控えることも選択肢に入れていかなければなりません。


ただ、話が少し矛盾してしまいますが、楽しいこと気持ちが晴れることって大事じゃないですか。食べるならやっぱり美味しいものをいただきたいし、美味しいものはカロリーも多いです。

仙人のように生きたい人は仙人のような生活をしてもらえればいいですが、それでは人付き合いもままならないし、やっぱり食で繋がって人間関係が出来上がるということもあるので、悪と思っていても食べなければいけない場面もありますよね。


ですので、私が提案するのは1週間のうちで、ここは外食が続いたから軽く済ませようとか、お肉続きだからこの日は具沢山のおつゆくらいでやめておこうとか。それが1週間単位、またちょっと難しければ一ヶ月に2回くらいの単位で、“補と瀉”を組み込んでいくというのはバランス的に良いと思います。



●(30代C):子供の問題ですが、旬の物に合わせると毎日の献立のバラエティーが少なくなってしまうのが悩み。そうすると、どうしてもいつもスーパーに並んでいる野菜で何とかしてしまうのですが


●黒江:毎日ではなくてもいいです。旬の時には1週間食卓に上がる頻度が高くても良いと思います。

コスト的なものとかエネルギー的なものとか、食育という問題に関してやはり時季というものはここでしっかりしていかないといけません。

そして地場の物、この土地だから今こういったものが採れるんだということを、自分の土地で身土不二で教えていくということも、ゆくゆくは子供の財産になります。


●(40代A):気になっていたのですが、“血余りが髪の毛・・・“というお話しがありましたが、これは季節と関係はありますか?


●黒江:これは男性と女性の違いです。


●(40代B):白髪も関係ありますか?


●黒江:血の余りと血の質とちょっと違うんですね。鉄欠乏性貧血とか、血の量が足りないのか、比重が足りないのか色々ありますが、血はたんぱく質なので血が欠落してしてくると髪の毛というのはやっぱりダメージが表れます。


昔、中国でお見合いのとき、女性は男性の耳を見ろ、男性は女性の髪を見ろという習わしがあったんですね。

なので、やはり女性の社会進出に伴って、血の乱れ=髪のダメージというのが如実に現れたのではと思います。


●(40代B):私は爪と髪と皮膚、ある意味命に別状がないところ、そこに一番体の不調のサインが出るのではと思います。栄養も体の一番大事なところから回っていくし。


●黒江:そうですね。はじめに脳が動かないといけないわけですから、しっかり吸収して動いてくれる糖を摂るのと、神経的に疲れてきたら多少の塩分を摂る。


●(30代D):先程、昔の中国の習わしのお話しで、お見合いの時に男性の耳を見なさいとありましたが、なぜ耳なのですか?

●黒江:これは男女ともに言えることですが、子孫を残すという意味なんですね。

血がいいかどうかというのは血のめぐりです。女性は血のめぐりで月のものが回り、男性は疲れてくると耳が枯れてくる。枯れてくるというのをどう説明したらいいでしょうか。笑

生命力がないというか、乾涸びたというか。

ようするに昔の人は女性は髪の毛で生命力の強さを、男性は耳でその人の生命力の強さを見ていたのでしょう。

やる気、負けん気、根気というのは本来男性のものです。がっつり食べるとか、居酒屋でぱーっとお酒を飲むというのは、気を発散させるひとつの方法です。本来気でめぐっているのは男性だったのが、女性の社会進出によって女性が気というエネルギーを非常に使うようになり、血のめぐりが悪くなりがちです。簡単に言うと、女性が「オジサン化」してきたんですね。

なので、気血水のバランスを考えないと、最終的にはむくんだり、それによって足がパンパンになりすぎて血流がキックオフしないから冷たくなるという、負のスパイラルに陥ってしまうんです。



(40代A):「実はデトックスは」ということで、どの山菜をどれだけ食べるかということより、冬の時期からちゃんと養生しているかということのほうが大事な問題ということですよね?

●黒江:今は全てディスポーザルでできていて、対処法なんですね。ですが、そんなに一夜城のようにはいかないんですよね。

今本当にデトックスにむけてしてほしいことは、毛穴が開いて汗ばんでくる五月頃に向かって、重い気持ちを捨てることと冷え取りです。冬の間に養生がきちんと出来ていた人は、そろそろ活動的になってもいいかと思います。

動物はちょうど3月頃が毛の生え変わりの時期ですね。生物全体がそうであるのに、人間だけがエアコンや冷蔵庫、ファッションに振り回されていて、季節感があるようで一番ない。だから山菜を食べて春気分になろうとするのかもしれませんね。

ですが、自分で脱皮する力がない人は、まだまだ体も全部縮こまっていると思うんです。

ですので、今はエネルギーを蓄えて体のデトックスは少し先に、心は解放して思う存分デトックスしてみてはいかがでしょうか?


●編集部:身体のデトックスより、まずは心のデトックスから先に始めてみます! 本日はたくさんの貴重なお話しをありがとうございました。


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