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お釈迦様の好まれた不安や執着心を落ち着かせ、崇高な意識になる香り。

お釈迦様とはどんな人だったのでしょう。花と香りに関することは?沙羅双樹や菩提樹など、彼の人生の大切な時には、植物が出てきます。植物とともにあった人生。私が考えるお釈迦様は、エレガントでスマート、そして繊細な方だったのではないかと思います。だって、仏陀の像はどれも美しくて、見るだけでも気持ちが穏やかに。いろんな宗派があっていろんな解釈がありますが、私はお釈迦様のストーリーが好きです。こんな時代だからこそ、なんでも基本に立ち戻ることが大切だと。


植物とともにあったお釈迦様の人生


ルンビニで、母マーヤは無憂樹の花を手折ろうとして、産気づき御釈迦様(紀元前463年 - 紀元前383年 : 中村元説)を産みました。釈迦族の王子として生まれ、生後7日で母に死に別れます。青年王子として成長した時、病人、死人、老人を見て、生きる苦しみを感じます。そんな時に清らかで軽やかな修行僧を見て、自分もこういう風になりたい。そしていつか出家しようと決心します。19歳で結婚し、子供までいましたが、29歳で出家。6年後、悟りを得たのは菩提樹の下で。そして仏陀となります。80歳で入滅。天に召されるときは、沙羅双樹の下でありとあらゆるものが仏陀の死を悲しんだといわれています。彼の生涯は、植物とともにありました。



仏陀と花と香り


お釈迦様が常々おっしゃっていたこと。 「 花の香りは風に逆らっていかない。 善き人々の香りは風に逆らっていきすべての方角に、善き人は香りを放つ 」 「 戒めの香りは無上のものである 」 「 戒めをたもつ人たちの香りは、最上のもので、神々の間で薫る 」  ダンマパダ 四「花の章」より


お釈迦様の好きだった香り


お釈迦様の好きだった香りは、白檀。英名Sandalwoodサンダルウッド(学名Santalum album)。私も大好きな香りです。お釈迦様はよくこの香りで瞑想に入られていたそうです。亡くなった時には弟子がこの香りを焚いたことから、お焼香の習慣が始まりました。



白檀(サンダルウッド)の心への働きかけ


サンダルウッドは精神とスピリットに働きかけます。心を鎮静させ、調和させること。頭痛や不眠症などの神経系の興奮状態にも効果的。世俗的な不安や、執着心を落ち着かせ、崇高な意識へとつながる助けをしてくれます。先に先にと今起こっていないことに意識を働きかけず、今現在に意識を向けさせてくれる香りです。


日本への仏教の渡来


日本へは538年に大陸から入ってきた仏教。花を飾り、燈明を灯し、香を焚いて、身を清める。美しく清らかな香りで身を浄め、心を鎮め、祈りを深め、諸仏に祈願する。香木や、香辛料のもつ抗菌作用などでも実際仏前は清らかになり、儀式は厳かなものになっていったのです。


香りは時代が変わっても変わらない仏使


香りは当時の人々の信心を仏に届けるためのものであり、お香を焚いたり、身体に塗りことにより、邪気を払い、悟りを得やすくする能力を上げるための最高のツールでした。「香は仏使であり、良香は皮膚、内臓、心、すなわち、心身すべてによく作用し、好香は信仰に通じる」と。そして、現代。香りは私たちの生活になくてはならないものになりました。身を浄め、守り、明日への活力に。先人の教えは、時代が変わっても変わらない真理。身近な香り。どんな香りを身に着けるか意識してみませんか。

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